プライムパートナー 大野順弘コラム

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さくらももこさんに学ぶ

 私は自己紹介をするとき、「出身地は清水です」という事にしています。清水市市町村合併静岡市に統合されてしまったので、「静岡です」が正確な表現だと思いますが、妙に清水に対し誇りのようなものを持っています。その一番の理由は、「ちびまる子ちゃん」の町だからです。初対面の方に「あのちびまる子ちゃんの舞台になった町で子供時代を過ごしました」と話すと打ち解けるのが早い気がしています。

 「ちびまる子ちゃん」は「サザエさん」と並び、国民的なアニメとして不動の地位を築きました。小学校3年生のまる子を主人公にし、多くのユニークなキャラクターが登場します。昭和40年代の世界観を描いているのに係わらず、未だに老若男女問わず人気が衰えません。その作者であるさくらももこさんが先日若くして亡くなりました。

 

 実は、今までさくらももこさんに対しては、「清水を有名にしてくれた漫画家さん」程度の認識でした。亡くなって初めてさくらももこさんという方に興味を抱き、どんな人生を歩んだ方なのか調べ始めてみると、広い清水の中でも驚くほど近い生活範囲で暮らしていたことがわかったのです。歩いて行けるほど近い場所で同じ時代を過ごしていました。多分、紙芝居屋が来た入江岡の淡島神社や狐ヶ崎ヤングランド、はごろも社のシーチキン工場近くですれ違っていたかも知れないと思うと親しみを持たずにはいられなくなりました。

  不思議なのは「ちびまる子ちゃん」を観るたびに湧き出る郷愁感は、ほぼ同じ世代、同じ地域を共有している私特有のものでなく、多くの方々がお持ちだということです。出身地がどこであっても自分の故郷と重ね合わせ、小学校時代を思い浮かべながら視聴しているのです。

  改めて、さくらももこさんのことを尊敬します。そして、彼女の類まれな能力を分析すると以下の4点でないかと思っています。

  1. 身近な日常を数センチ単位でとらえる観察力
  2. 周りで起こる様々な出来事を残す記録力
  3. 人に対する興味と愛情力
  4. そして、誰にも共感される表現力

  これらの能力は、仕事をする上でも参考にしたい内容です。今後も清水出身であることを誇りに生きていこうと思います。