プライムパートナー 大野順弘コラム

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香港・広州間の鉄道路線に思う

 最近、在来線で約2時間かかっていた香港-広州間に新たな高速鉄道が開通し、最短47分で結ばれるとのニュースが報じられました。

 1998年の8月、私は夏休みを利用し香港からこの路線に乗って広州に辿り着きました。当時、中国へ渡航するにはビザが必要であり、香港でビザを申請して中国へ入国するというルートが主流だった時代です。ゆっくり走る汽車から眺める車窓に長閑な農村が広がっていました。紙に包まれた白米と少量のおかずの入った弁当売りが車輛を行き来していたことを妙に思い出します。

 「30年も経つんだなぁ」、流線型の最新車輛が広州駅に滑り込む映像をテレビで見ながら、思わず呟きました。

 広州駅では、現地ガイドをしていた中国人K氏が笑顔で出迎えてくれました。日本人旅行者が少なかった時代、同年代のK氏とはすぐに仲良くなりました。当時の広州は目新しい観光地が無く、市場巡りや食事、ボーリングなど滞在中はずっと付き合ってくれました。

 K氏はその後旅行会社でお金を貯めて、日本の大学に留学しました。ビジネスの才覚があり、短期間でゲーム流通の事業を起業し成功させました。今はオーナーとして会社の経営を部下に任せ、一年の半分は世界中を旅しています。フェイスブックで確認すると、直近はシドニーにいるらしいです。

 たまに彼と会うと、「大野さん、広州は30年前とは比べものにならないほど発展したよ。是非とも、一度遊びに来てよ」と言われます。

  来年こそは香港経由で広州に行く同じルートを辿り、経済大国となった中国を体感してみたくなりました。